【ジョジョの奇妙な冒険(ファントムブラッド)】第3話「ディオとの青春」

【ジョジョの奇妙な冒険(ファントムブラッド)】第3話「ディオとの青春」

父親の精神を受け継ぎ、それはやがて未来となる。

これこそが死んだら終わる吸血鬼との差。

展開はちょっぴり早かったけど、絵的には今見ても斬新。

 

第3話「ディオとの青春」

「勝手だけど、頼みがある。最後の頼みなんだ」

と、もっともらしいことを言えるのがディオ。

心の中では「ジョジョーォオオ! 無事にあの貧民街から戻るとは」「ぶっ殺してやる」とか言ってるからな、この男は。
アニメだと声優の演技力と相まって二重人格かと錯覚する。

まあ原作でもそうやって周囲をだまくらかしてきたんだろうから、ディオ自身の演技力も相当なものなんだろうけど。

 

しかしこの男は騙されない。

「おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン!」

って、この台詞もどうかと思うけどね。自分で言うか、そういうこと。

しかしまあそうはいってもこのスピードワゴン、なかなかに鋭い。

 

ゲロ以下ってのは、おそらく貧民街においてもこれほどの悪はいないってことかもしれない。

「こいつは生まれ付いての悪(わる)だ」

兎にも角にも、彼はディオの本性を見抜いていた。

ディオのことに限らずスピードワゴンって常人の割には理解力が凄いほうだと思うけどね。的確というか、人柄も込みでなかなか良いキャラだ。

 

別れ

人間の限界について語るディオさん。

というか、策を弄するから崩れ去るんじゃなイカ?

スペックは高いんだからシンプルに生きれば良かったのに。

 

そして後に語られる衝撃。ジョースター卿はすべて知っていたのだ。

でもこれ盗人を助けることが紳士的と言えるかは疑問だよね。反省して更生しないとまたおんなじことの繰り返しだよ。

 

しかしそこが彼の良さだったのかもしれない。

ジョースター卿は最後までディオを息子として扱った。恨んでもいない。

ただしディオにとっては最後まで「ジョジョの父親」だった。恩を感じないというか、利用することしか頭にない。悪い意味でブレない男である。

 

悪人を疑わないこともまた彼の正しさ。

だから間違いではない。これが誇りとなり未来となる――というスピードワゴンの推察はジョジョの世界観そのものだ。

 

吸血鬼ディオ

ほんの一瞬とか、ちょっぴりとか、だいたい紙一重よな、このひと。

油断して負けるのも今となってはカリスマっぽく見えるが。

ジョジョの爆発力を忘れて負けるって、相当な慢心よな。つい最近油断せずに行こうみたいなこと言ってたのに。

 

不死身、不老不死! そして支配。

3部の後に見ても違和感ねえな、こいつ。

そしてジョジョは相手が人間ではないと知っても倒す為の希望を見つける意志力がある。

追い詰められた末の行動が「策」ではなく「勇気」

ジョジョのテーマは昔から変わらんね。

 

 

まとめ

「俺は人間をやめるぞ! ジョジョーッ!!」

このエピソードはやっぱこの台詞かな。

ほんとね、衝撃的なシーンの連続だった。中でも石仮面からのサスペンス的な雰囲気が――演出もよかったんだろう――緊張感あった。

見せ方も上手い。頭がふっとばされるシーンとか、頭より下を映してて、血の噴出し方とか、良い演出だなーと思った。ガラスでディオの頬が切れるシーンとか細かくて原作に忠実だった。

 

不吉過ぎる。少なくともこの時点では倒せないというフラグをビンビン感じるじゃあないか。

銃で撃ったのにまるで倒せた気がしない。その空気のなかでの死体が消えるという演出ね。ドキドキするよね。ホラーっぽい演出と相まって未来永劫に悪くないと思わせるアニメーションだった。

 

まあそれはそれとしてね。

ジョジョを突き落とすときの「グッバーイ、ジョジョ」みたいなノリノリの子安演技とかもね、見どころだったと思う。

そもそも原作からして台詞の印象が強いけどね。

「父親の死体とともに死ねて嬉し涙流しな、マヌケ!」みたいなね。

ディオにとってジョースター家はいい環境だったと思うんだけど。

にしてもまさか石仮面からディオが倒されるまでを1話でやるとは。昔の作品のアニメ化はこういうところがネック。

 

 

© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会