漫画『彼方のアストラ/篠原健太』感想・レビュー
- 2019.07.03
- 漫画レビュー
SF、サバイバル、ミステリー。
テンポ良く、引き伸ばし無く終わるので結構オススメ。
ただし長身巨乳メガネが外したので減点。本当の自分=メガネを外すという展開はいい加減古いと思うなー。
導入
彼方に飛ばされ、そこから帰還のための旅が始まる。どっかで聞いた話だなーと記憶をさかのぼってみたら、
『ギャラクティカ』だこれ。
しかも身内に敵がいるし。憎めない敵がいるし。割とほんとに似てる。
ただ展開は個性的な部分もあるし、目的が一貫しているので割と読みやすい。最近は目的が変わる漫画も多いからねぇ。
個性の尊重
シリアスな状況でも割とコミカル。『スケット・ダンス』のときもそうだけど、この辺が作者の持ち味なんだろう。
その上で最終的にはすべてのキャラクターが個性を発揮し、進んでいく。
仲間意識が高くなると自然と相手を尊重するようにもなっていくし、今まで聞く耳を持たなかったキャラも意図を汲んで動くようになる。過程があって結果がある。当たり前のことだけど、この短さでそれを見せながら進んでいく作品はめずらしい。
まとめ
全5巻なんだけど、結構濃密。まあ最終巻は結構太いので実質6巻ぐらいだけどね。
SFと銘打ってるけど話の構成は実はホラーだったりもする。危機的状況であり、移動する必要があり、目的地が生まれる。けれど仲間は即席パーティー。問題は敵や環境だけでない。考え方の違い、能力の違い、そして仲間同士の諍い。普通だったらキツい展開が続くだろう。
しかしこの漫画はそういった環境であってもコミカルなシーンが多いし、なにより人の死をネタにしない。そういったところに作者の感性がよく現れてる。画力が特別高いとは思わないし、話も緻密とは言い難いけど、どこか温かみのある漫画。1巻読める人なら最後まで読んでも後悔しないそんな作品だと思う。
4コマパートも面白い。
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まあ作る上で結果から逆算してる場合でも、過程と結果は繋がっているのは当然ではあるんですが、この人数全員魅力を引き出した上でこの短さで綺麗にまとめあげた事が凄い。
多くのキャラの出番を自然に出そうとしたら、作品も長くなるのが必然。それを完全にぶち破り、自然な形で全員出番あって短くまとまり面白い。
これは脅威です。
スケット・ダンスも自ら頼んで終わらせたそうなので、そこもまた作者の感性かもしれませんね。