『ネコソギラジカル(中) 赤き征裁VS.橙なる種/西尾維新、竹』レビュー
- 2019.01.17
- 戯言シリーズ
真心、起動。
最終らしく、終わってます。チートという言葉でも生ぬるい。作品が違えば完成(ジ エンド)と呼ばれていたかもしれない。そんな個性(能力)。
頭巾ちゃんが惜しかったですね。
バトル漫画的展開
どうすんのこれって感じ。強すぎるというかやり過ぎ。バトル漫画のインフレみたい空気感。最強だった出夢くんはあっさり退場。狐からすればバックノズルらしいが(死ぬのは決まっている)、読者からすれば強さを測るものさしのような扱いだった。
そしてその狐さんの立場も危ういという手のつけられないっぷり。運は悪いんだよね、狐って。ツメも甘いし。時間通りに事が運べば展開も違っていたのかもしれないが、バックノズル理論で言うとこうなるように歯車は動いていたということでもある。
哀川潤もやられたので展開が急に読めなくなった。
戯言遣いの本領
いーちゃんの戯言がかつてないほど発揮されていたと思う。『裏切らせる』って発想は『戯言遣い』ならでは。こんな主人公、他にいない。
それを読んでた狐さんもすげーけど。
考えて動くタイプほど戯言に弱いとも思った。逆に言うと聞く耳を持たない相手には本領を発揮できないってことかもな。
フレンチクルーラーを頬張る絵本さんが可愛い。絵はないから想像なんだけどね。西尾維新作品はミスドネタが多いけど、初出はこれかもしれんね。
まとめ
世界は真心を中心に動いている。強すぎて予想外というより、影響力が強すぎて予想できないって感じ。謎があるというより、この時点では着地点がまったく見えない。
そうこうしているあいだに出夢、萌太、頭巾ちゃんなど惜しいキャラクターが沢山逝ってしまった。出夢はすでに死んでいたようなものだとしても、萌太は力を見せる前に退場し、頭巾ちゃんに関しては勘違いで殺されてしまった。戯言シリーズらしい気もするが、それでもそれぞれが実に惜しいキャラクターだった。
会話シーンは、個人的には小唄との掛け合いが好み。こいつ哀川潤のこと好き過ぎだな。
新書、文庫。
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