アニメ『ガールズ&パンツァー』レビュー

アニメ『ガールズ&パンツァー』レビュー

絵的に面白いアニメシリーズ。戦車はもちろん、キャラクターもいい感じに動く。

だけどストーリーはいまいち。戦ってる時以外は微妙なアニメでもある。

 

雑感

かわいいキャラクターと燃えるシチュエーションのギャップが特徴的。『戦車道』の設定がオタク心をくすぐるし、作画――戦車やキャラクターの動きもそれに追いついてる感じ。

戦車はそれぞれに個性があって、そこに注目してみるのも面白いと思う。耐久力、速度とかだけじゃなく旋回能力とかにも差があったりして面白い。そこに気付くとけっこーテンション上がる。

物語の入りはイマイチ。戦う動機が『理不尽さ』というのが古い。大人たちの要求に若者が応じるとかもういいでしょ。昔のドラマじゃないんだから。そういうのって見てる方もしんどい。基本的に物語というものは勝者にリターンがある場合、敗者にリスクが無いといけない。彼女たちが優勝した場合、必然的に敗者が生まれる。ならば大人たちのリスクを描かないというのはストーリー性がないということだ。

周囲の反応がよくわからない

ヒロインの母親の手のひら返しが非常にウザかった。
最後に拍手して大団円の流れに乗っているのだが、乗っかてはいるのだが、ヒロインの姉がいなかったら勘当してたわけで、あのリアクションは無理があると思う。

親心として好意的に見れば、人助けを優先した娘に西住流は向いていないので、それを考慮した判断とも取れるが。そこもよくわからない(姉が妹に甘いのは分かるが

全体的に人命救助に関しては軽く受け止めている印象が強い。周囲の反応が冷たい。戦車道が認知されているのであれば、ヒロインの行動はもっと評価されても良さそうなものだ。彼女が助けなかった場合、死んでいた可能性がある。それを無視して話が展開しているように見える。

スポーツの場合、スポーツマンシップ的な行動を観客が好意的に解釈するものだが、この世界では一部の人間しかヒロインの行動を評価していない。ヒロインサイドの立ち位置を下げる工夫のひとつなのかもしれないが、それはそれで古い。

これが本当のアンツィオ戦です!

 

(C)GIRLS und PANZER Finale Projekt

 

テレビシリーズが終わってから作られた過去試合。

作りかけのエピソードの納品が間に合わなかったのかな? 総集編(落とした回)に本当はこれを入れたかったとか。

何にせよキャラクターとか戦車が面白かったので見れてよかった。キャラ名が面白すぎてそこは笑ってしまったが。

まとめ

試合だけ見ていたいアニメ。

キャラクターすべてに役割があって、試合中は見ごたえがある。指示の仕方も面白いし、後から思い返してなるほどと思える。展開も終盤になるほど熱いし、わからない部分があったとしても駆け引きは分かる良いアニメ。

負けたキャラの扱いも良くて、決して弱者扱いはしない。そういった彼女らが応援してくれる。そういったシーンにちょっと感動する。

『あんこう踊り』や唐突な『カチューシャ(歌)』とか、インパクトのあるシーンもあって、総じて飽きにくい作品。

これで戦う動機を与えた陣営がちゃんとしていればね。もっと良かった。見返す際、第1話やストーリーパートはスルーしたくなっちゃう。

 

 

BGMとSEもグッド。クライマックスで流れる音楽、そして砲撃音、金属音が好き。