アニメ『RELEASE THE SPYCE』 レビュー

アニメ『RELEASE THE SPYCE』 レビュー

百合×スパイ。略称はリリスパ。正式タイトルだと書きづらいので助かる。

コンセプトは良かったけど、最終的には百合とスパイの両立にちょっぴり失敗した作品。ハードルを上げすぎたのが主な原因。序盤のペースで最後まで行けばもっと評価は上がったと思われ。ベースは日常系で、たまにシリアス。それぐらいで良かった。

放送は2018年デス。

 

 

テンポよく進んだ序盤の展開

序盤は百合を上手く絡めていて、ゆるゆりじゃねーのこれってぐらい雰囲気。

汗舐め、修行パート、悪い子達のあっさり退場も上手く機能。テンポも良かったですね。

 

©SORASAKI.F

 

ペロッ。これは本物の(命の)味。

放送時期がジョジョ5部と重なったのは偶然なんすかねぇ。ブチャラティとキャラかぶっちゃった件。

 

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あっさり敗北した方々。普通のアニメで言うところの四天王クラスの敵だったと思うんだけど、展開がスピーディーでしたね。ドルテの声がはやみんだったのは面白い。

 

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杉田もあっさりと退場するなど、この頃は百合寄りな空気だった。

ドルテ戦に関しては百地がやられて怒る師匠も良かったですねぇ。過保護、ストーキングなど、クールっぽい師匠の百合力は正直相当高かった。

 

定められたカップリング

リリスパの良いとこ。

 

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夫婦かな?

 

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そのポーズは練習したの?

 

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顔が近いです。

知らない人が見たらポッキーゲーム。でも師匠の表情見るとちょっと何やってんのかわかんねえなこれ。攻めと受けって感じ?

 

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忘れがちメガネ。

 

まとめ

このアニメってスパイ要素がぬるいって感想やコメントが多かったんだけど、実際はその逆で、百合アニメにスパイ要素をほんのちょっと加えれば良かったと思う。なのに途中からスパイを主軸にしてしまった。そこが敗因。ジャンプ系アニメの悪い意味でのアニオリみたいな回もあったりと、中盤以降は完全に盛り下がってしまいましたね。

作画も終盤は落ち気味。最終回で少し巻き返したんだけどね。だが時すでにおすし。

絵的に面白いシーンも序盤はそれで良かったけど、後半は勢いの無さと相まって軽く滑った形。歯車が噛み合わないといいものはできないを地で行った感じ。

ノリ的には人が死なない方が良かったんだよね。師匠の師匠(桑島法子)とかも最終回で助っ人として登場した方が良かったんだよ。

文鳥の女も然り。倒した後でくっころ状態か、行き場がなくなって闇へと消える――ぐらいで良かった。こういうのは序盤で決めておいた方が話が進めやすいんよね。主要キャラが死んだらその流れで敵も味方も減っていく。死なないなら誰も死なない。アニメのコンセプトは基本的に序盤で決めるのがセオリー

 

裏切り者がいるっていう前振りでハードルを上げたのも痛い。よしんば二重スパイ(ダブルスパイ)という展開はよしとしても、引っ張る必要はない。10話か11話(最終話は12話)の時点で二重スパイであることは明かしておいた方が良かった。しょーもないネタで引っ張ると後でつまらなさが倍増しちゃうからね。

 

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この百合パワーで裏切り者はないでしょ。

ミスリードにもなりゃしない。

 

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師匠の記憶は残っているようだ。続編があれば再登場するんだろうけど、スパイス効果がもうアレなのでサポート役になるかもしれない(まあ何かと理由を付けて復帰というパターンもあるけど)。

命やメガネあたりは雪の記憶について知っているのだろう。そういうところを想像すると面白い。その後も影ながら百地を見守る雪。それを知っている命達――みたいな。

 

ちなみに最終決戦は絵的に面白いカットもあれば武器の使い方にも面白みがあった。でも立て続けのシリアス展開と11話の微妙な作画が影響したかな。クライマックスなのに盛り上がらなかった。そういう空気になったらもうどうしようもない。

作り手と視聴者の間で温度差があったかな。日常的やり取りの方が、具体的には5話までが良かったですね。惜しい。この惜しさは『Re:CREATORS』に近い。設定は良いのにってパティーン。

 

オープニングは最強。2018年のアニメでは一番好き。キャッチーだし、作画や構成も良かった。文字色も変えたりと芸が細かい。

 

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しかし何度見てもCMっぽいよな、これ。

ちなみに声優別のバージョンもある。