【読切】決めつけこそが最大の偏見「テキーラとブーメラン」(2022/05/18)
- 2022.11.30
- 読切
ジャンプ+より、作者はTamamushi
偏見と偏見のブーメランが主人公を襲う。
わかりやすくて現実感のある作品。
テキーラとブーメラン
とある国で生活する日本人が主人公の本作。
文化の違いに戸惑いつつ、ヒロインと過ごしていくことになるわけだけど、この時点で偏見が割りとすごい。
主人公視点だとこの国は非常に性にアバウトで日本と違うという認識を持つのだが、日本にも似た感覚を持つ人達がいて逆にこの国の中にも日本人に近い感覚の持ち主がいる。そういった考え方が主人公には抜けていて、抜け落ちていて、しっぺ返しを食らう。このしっぺ返しがタイトルにある「ブーメラン」
読切らしくわかりやすいオチとテーマで良い漫画だと思います。
ただジャンプっぽくはないのかな。青年誌でありそうなお話でした。
主人公は周りに「日本人ってこうだよね?」みたいなことを言われて不快な思いをする。
が、自身もヒロインに対し同じことをしていた。それどころかこの国の人達は偏見で物事を決めつけたわけではなく、そこに悪意はなかった。ただフランクなだけ。
言葉の裏を読むということがなく、むしろ素直。いい人達でしたね。
こういう展開のお話は実はすごくめずらしい。というのも主人公が一般的な人物である場合、脇役(モブ)に悪人が多いというパターンの方が圧倒的に多いから。
しかしこの作品は主人公の方が脇役のような思考回路で、他人を勝手に決めつけた。そのキャラクター性はむしろ脇役に近い気がする。反省したことでハッピーなエンドになったが、ほんとに偉いのはヒロインや周囲の人達である。
とある国のモチーフはおそらくフランスかな。
……性に奔放でアニメに詳しい国=フランスって考え方もまた偏見かもしれない。
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