【Dr.STONE】197話は漫画として最高の構成
- 2021.05.25
- Dr.STONE
ここ最近の「Dr.STONE」はめちゃくちゃ面白いけど、今回はその中でも軍を抜いてた。すごい。すごすぎる。
話の進行も見せ方も過去最高だった。
Dr.STONE 197話の感想
タイトルは『石だらけのエデンと禁断の果実』
なにが”禁断”だったのかは言うまでもない。
序盤、まずは石化の設定についてのおさらい。
石化が解けると”身体の調子”が良くなる。
そして次のコマでは「長生き」を強調……していると思ったんだけど、今回は「死んだら」「復活とかも無理」の方が重要だった。
で、ふたりの会話を聞いている感じの司、というふうに続くんだけど。
この時点だと司が何を気にしているのかわからないんだよね。
でもわからないなりに、読者視点だとなにか思うところがあるのだろうというのはわかる。喋ってないのにわかる。この辺が漫画における上手い表現なんだよね。
そして次のページで氷月を気にする司を見せる。
普通に考えると、司は氷月と一緒にいたので、彼の安否を心配しているかのよう。
けど千空はこの表情。なぜそんなことを訊くんだ? といった感じ。
今回、司の表情が豊かだった。
このシーンでは”氷月が復活しないかもしれない”そういう風にも見えて少し緊張が走ります。このまま退場しちゃうのか、氷月……みたいな。
後で分かるけどゲンの三点リーダーは意味が深い。彼はどこまで理解していたのでしょう。
しかし氷月は何事もなく復活。
良かった……と誰もが思う場面。
司もそう思っているように見える。ただ違和感は残るんだよね。この表情はなんなの? 喜んでるの? 驚いてるの? この時点だとちょっとよくわからない。
あとで分かるけど、これは不安が的中した時の表情。
つまり司視点だと氷月には死んだままでいて欲しかった、ということになる。
ゲンのフォロー。
ほんと、彼はどこまで理解しているのか。少なくとも手放しでは喜べない、良くないことが起きたことには気付いてるとは思うのだが。
これはミスリードかな。
周囲の目が千空にいかないようにしているのだろう。
そして、
真実が伝わる。千空にも読者にも。
ここまでの見せ方がすごく良かった。1話だからね、これ。たったの1話で布石とその回収を行う。
布石っていうのはこの場合は司の表情のことで、すべてが今回の話だけで合点が行くようになってる。
すごくスピーディー。勢いがある。次号をまたがないところが特に。
クロム、カセキの会話からこのオチにつながるのがすごく気持ち良かった。石化ってこういうものだよね、という前フリが上手く機能している。
まあそうはいってもね、千空、司が死んでいた可能性を踏まえると、昔の布石を回収したとも言えるんだけどね。
コールドスリープに関してはむしろ納得したぐらいだ。
おまけ
千空がすごいとはいえ、1日でやられたらさすがにショックだよねぇ。
集英社/週刊少年ジャンプ2021年25号
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