響子さんは面倒な女 めぞん一刻

響子さんは面倒な女 めぞん一刻

響子さんウザい説。

人の話を聞かない。そのくせ怒り、ふてくされ、いじけたりする。

さらには五代を試すようなこともするし、ときには管理人業をほっぽって実家でふてくされたりもする。そういう女である。

 

ぱっと見の人物像は美人、優しい、いつも笑顔だけどたまに天然。つまり最高。

管理人業も真面目で、ダメ人間な住人の対応に四苦八苦。

おまけに五代もダメな大人見えるので相対的に響子さんが大人っぽく見える。

……なのだが、話が進むにつれあらが見え始め、後半ではただただ面倒なシーンが増えていく。

 

女性関係の誤解

響子さんはもともと付き合ってもいない時点でヤキモチがやべー女であるが特に終盤がヒドい。

キスシーンを目撃後ふてくされて実家に引きこもる。

アパートの住人である朱美とラブホテルで一晩明かしたと勘違いして暴走する。

非常にめんどくさい。

実家ではめずらしくだらしない姿が描かれるんだけど、そこはむしろ新鮮で良かったんだけど、その際に五代の愛を確かめようとするシーン(付き合ってもいないのに)が出てくる。今でも通じる女性特有のモノローグで、そこがまた恐ろしい。響子に感情移入するとおそらく響子寄りの思考に陥るだろう。客観的に読んで欲しい。行動だけ見たら悪女寄りの女性である。

 

泣くわわめくわ、どうなってんの。

朱美の台詞。

「ろくに手も握らせない男のことで、泣くわわめくわ、どうなってんの」

「あんたみたいな面倒くさい女から男とるほど、あたし物好きじゃないわよ。バカ」

割と有名なやつ。

この台詞にこそ共感して欲しい。ただの淫乱キャラじゃなかった。

アパートの住人はそもそも出来た人間で、そりゃあ彼らはバカだし学もない。どんちゃん騒ぎが好きな迷惑極まりない生物だ。しかし肝心なところでは大人。だから響子を導くこともあるし、ふたりが付き合い始めると適度に距離を置く。正しくはなくとも響子よりよっぽど察する能力があるといえるだろう。まあダメな大人ではあるんだけどね。少なくとも社会的には響子よりもダメな大人達ではある。

この作品は読み手の年齢で見え方が変わってくると思う。幼い頃に読むと響子が正しい大人に見え、五代がだらしなく見える。しかし大人になってから読むと響子の行動がうざったく見えて、五代は気があるかどうかわからない女性に対し日々頑張っているように見える。

 

まとめ

高橋留美子の全盛期。

とは言わないけど、見返して凄いと思えるのは案外めぞん一刻ぐらいかもしれない。

今のラブコメの原型はらんまだと思うんだけど、参考にすべきはこっちかなと思ってる。この作品ってヒロインの悪いところも見せるようにしていて、ある意味でフェア。めぞん一刻を今風にしたら、おそらく響子の欠点は天然で抜けているところがあるといった程度だろう。実家でなにもせずダラダラと過ごす(仕事もせずに)という絵は描かないはずだ。大人にもダメなところはある。その心情描写が抜群に上手いのだ。

逆に言うと作者の漫画って少年誌向けじゃないと思うんだよね。キャラクターの心情描写ってらんまであれ犬夜叉であれ分かりづらいもん。高校生ぐらいからじゃないかな、魅力が分かるのって。

 

 

サンデーのは読む気しないんだよね。アニメにしやすいとは思うけど。