バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

夢の共演。期待感はすごかった。

言うほど『vs』していないし、惜しいというレベルにも達していないし、バットマンは『ダークナイト』の方が良かったし、スーパーマンは『マン・オブ・スティール』の方が良かった。

 

世界平和の後も世界は続く

『マン・オブ・スティール』の続き。

街は救ったけど被害は出たということで不満を持つ住人も。アメリカのヒーローものではよくある展開だよね。ほんと昔からある。

救ったヒーローを訴えるという感覚は今のアメリカ人には無いと思うんだけど、DCでは昔からあるものなのでこれもまた伝統と捉えておこう(個人的には次ヴィランが来た時には見捨てたらいいと思ってはいるが

ちなみにスーパーガール、フラッシュにおいても似たような話はある。助ける→訴えられる→敵を倒す→手のひら返し……みたいな。ほんと懲りないねぇ。

 

ちょっと強いマン

見る前から分かってたけどやっぱりスーパーマンの方がバットマンより強い。
バットマンの扱いはアベンジャーズで言うところのキャプテン・アメリカ。人よりちょっと強いマン。

しかしいろいろな武器やバットモービルがある。なによりスーパーリッチ。って考えるとむしろアイアンマンの方が近いか?
それでもスーパーマンが相手じゃ分が悪い。バットモービルが意識的にカッコよく描かれていて良かったけど、スーパーマン相手だとただの車と変わらんね。

戦闘力で言うと銃を持った一般人とサイヤ人ぐらいの差はあるんじゃないかな。

クリプトナイトで対抗すると予想していた人は偉いと思う。

 

話のテンポが悪い

アベンジャーズに比べるとかなり緩やか。盛り上がるシーンは用意されているけど、そこに至る流れが悪い。

わかり易さを重視しているのかな。『マン・オブ・スティール』もそうだったけど、ヒーローものに感心がない人にも分かるように作っているのかもしれない。そこが逆に見辛い要素を生み出してるんだけどね。尺の長さと内容が合ってない。

展開に関しても黒幕が目の前にいるのに倒さないという展開が多くてしんどい。せめて口ぐらいふさいどけって話。それだけでだいぶ流れは変わっただろう。

ほんとすごい喋るんですよ。

で、スーパーマンがそれをずっと聴いてるんですね。殴れば? って何度も思いましたね。

敵の都合に合わせてヒーローが動く流れにリアリティの無さを感じた。敵に付き合わないと話が進まないってパターンはもう古い。

 

まとめ

酷評したくなる映画。ただ『ワンダーウーマン』『ジャスティス・リーグ』の後で見返すと意外と悪くない

単体で見るとダメな映画といった感じかな。ぶっちゃけタイトル負けしてる。『vs』ってあるけど、スーパーマンがバットマンに不覚を取った理由がスーパーマンが手加減していたからだからね。というかこのタイトルならラスボスをスーパーマンにすべきでしょ。

ワイヤープレイは良かったけどね、バットマンの。でもやっぱり人相手の方が映えるかな。

終盤の協力プレイも本来なら盛り上がるところなんだけどワンダーウーマンが浮いてるんだよなぁ。急に来て、しかも強いって、凄い違和感。映画『ワンダーウーマン』の後にこの映画をやっていれば盛り上がっただろうに。それこそアベンジャーズみたいに。

落とし所もイマイチ。『正義の心』がテーマになってるんだけど度が過ぎた強さってもう気持ちじゃ無理だから。スーパーマンに近いレベルの敵にバットマンが勝つイメージがまったく沸かない。遺志は告げても力は継げていない。だからブルース・ウェインに共感するのは難しい。

 

金曜ロードショー版

カミングアウト――神だけに! ってなんとか物語みたいなこと言ってるし。言ってるの吹き替えだと神谷さんだし。

カットが30分ぐらいあってファンから批判もあったようだけど、もともとテンポが悪いのでむしろ良かったと思う。これだけ暗いと長く見るのしんどいし。もっとも布石回収が行われないのが嫌な気持ちは少し分かる。スーパーマンが置かれている状況とか特にそうだよね。追い込まれるのには理由がある。単に民衆がバカなだけじゃない。

 

 

 

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

公開は2016年。北米が最速で日本でも同日公開。

『DCエクステンディッド・ユニバース』シリーズとしては2作目(1作目は『マン・オブ・スティール』)。

ヒーロー映画での初動は当時では過去最高。

 

(C) 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM & (C) DC Comics.