彼方のアストラ|ミスリードと布石

彼方のアストラ|ミスリードと布石

オチを知っている方が見やすい。そんなアニメだった。

改変部分も布石になっていたりと、かなり気を使って作っていた印象。逆に言うと原作読んでない人には辛かったかもしれんね。

 

1話

「古い言葉だと星っつー意味があんのか」

見返した時に分かりやすくなるタイプのミスリード。この時点で目的地がわかったらポリ姉の立場もないわな。

『アド・アストラ』はラテン語なので「古い言葉」と言われても違和感なし。しかもこの作品は現代と陸続きの未来といった見せ方をしている。故にどこに向かっているのかを言っていないにも関わらず地球へ向かっているように見える。

 

1話後編の手つなぎ。

原作に無いシーン。他に方法ないのって初見さんは思ったかもしれない。既読じゃないとこの改変の意味が分からないだろう。この行為自体がアストラのテーマ。

 

2話

キトリーと養子であるフニが似ている。

親が違うのにこの褐色具合。この時点で少なくとも母親は同じである可能性を示唆。

 

3話

「銃なんて100年も前に撤廃されたぞ」

勘違いしていた人もいたけど、これはウルガーが持ち込んだ物ではない。船内にあったもの。つまり100年以上前の船と銃である可能性が高い。

 

4話

アームロックは2回あったのだが、なぜか1回目はカット(布石でもミスリードでもないが気になったので

 

5話

ランファの歌の上手さ。

さらにはキトリーの「よく見たら顔も似てるかも」発言。

そして目立たせなかったルーシーラム。

捜索を打ち切ろうとする親もこの時点で怪しいっちゃ怪しい。

 

6話

・記憶を別の人間に移植する研究

・親から嫌われている

・養子が多い

・大人は嘘を付いている

そろそろオチが見えてきた。共通点が多いのもアレだけど、似ているのに養子ってのもおかしい。

 

「いつも影から見守ってるって感じ」

「なんかアリエスだけ特別って感じ」

共にキトリーの台詞。観察眼が何気に鋭い。

 

8話

「お父さんの目が冷たいとかアンタが言う資格ないわあー!」

これもキトリー。偶然だろうけど正解。

 

その他

これも布石っちゃ布石。

細かいこと言うとポリ姉が乗っていた船の老朽化、スーツの古さも100年以上もの時間が経過しているという布石。粗探しするのもいいけど、頭わるいって気付いたほうが良いケースも多い。制作サイドは君たちの何倍もの頭脳を働かせているわけだから。まあそれで良いものができるとは限らんけどね。

アストラは細かいところが全体的に良かったと思う。アリエスとシャルスの笑い声がおかしいとかね。

ギャグがスベってるのは戦争映画のジョークと同じ理屈かな。笑いは緊張の緩和ではない。緊張と緩和だ。

 

 

(C)篠原健太/集英社・彼方のアストラ製作委員会