ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 #38、39 レビュー

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 #38、39 レビュー

運命は変えることができない。だがそれでも救われることはある。そこが完全なる勝利に繋がっている。ディアボロには負けた理由がわからない。

 

第38話「ゴールド・Eエクスペリエンス・レクイエム」

終わりがないのが終わり。

死ぬよりヒドい。結果だけを求めた男の最期がこれ。

1回目の死でも読者視点だと奇妙なのだが、ディアボロ視点だと2回目の解剖でもまだ気付かない。犬でパターンを理解し、少女で確信する。ただの少女がこんなにも恐ろしいということが恐ろしい。

 

それはそれとしてこの大金である。

暗殺チームの仕事何回だよこれ

 

ブチャラティの対応がすごくいい。部下を下がらせないことも、父親がヤバイ依頼をしていると自覚しているという指摘も、それでいて見捨てないことも。すべてが良い。

でもこれルカが死んだ直後のことなので、この後でジョルノを舐めるんだよなぁ。

 

第39話「眠れる奴隷」

『ローリング・ストーン(ズ)』の能力を考察しながら見るのがオススメ。

石として形作られていないということは、死なないということなのだ。これもまた運命は絶対という表現のひとつ。彫刻家の肝が据わっているように見えたのは能力への確信が理由。自分の石が彫られていないのであれば、ミスタの銃など昼下がりのコーヒーブレイクと変わりない。

 

フーゴの「ボケ」がツボ。「ちんぽ野郎」もそうだけど、ジョジョって口が極端に悪くなるよな。ゴールデンタイムによくやるわ。

ミスタが落ちたのは計算だったのが面白い。ブチャとフーゴからすれば何言ってんだこいつ? って感じなのだろうが、ミスタの理解力は高いし行動力もある。ただしやはり運命は変わらない。

ブチャラティの父親の状態を抜き差しならないと表現したように、アバッキオの同僚が過程を褒めたように、5部はテーマが途中から一貫していたように思う。このスタイルは6部以降も続いていくし、『岸辺露伴は動かない』でもしばしば同様のスタイルが起用される。

 

ポルナレフの役割はジョルノの行動の補助だろう。ポルポルくんがいないとジョルノの行動が謎めいちゃうしな。ブチャラティのこともそうだし、矢のことも。

 

そんなわけでギャングスターになりました。

ってそんなことすっかり忘れてたわ。

 

まとめ

2話連続放送の前にかなり空いたんだけど(3週ぐらい)、割りとすんなり見れた。

パワーがあるね、ジョジョには。違和感のあるシーンって腐るほどあるんだけど、それを力でねじ伏せるというか、ブレない意思で突き進むというか、とにかく引きつける魅力がある。

逆に言うと遠巻きに、上辺だけをすくい取って見る人にはよくわからない作品だったと思う。原作読んでる当時、腐るほどそのようなツッコミを周囲の連中に入れられた。

Twitterでの評判は良かったけど、Twitterって類友的な仕様でもあるから、それは全体的な評判ではなかったと思う。

ディアボロはディアボロが殺した者達によっても敗北し、死んでいった者達は後悔していない。そういった部分がわからない人にそこを説明するのはちと難しい。

とはいえここまで視聴してきた人達だ。次がどうなるかといった期待感もあって見ていたのだろう。それならそれで批判されていたとしてもしょうがない(そもそもこっちが決めることでもねーが)。

個人的にはジョジョ史上最高のTVアニメシリーズだったと思う。アニオリも多かったんだけど、そこも込みでディ・モールト良かった。

 

 

引用 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会