劇場版『ガールズ&パンツァー』感想・レビュー
- 2019.06.11
- ガールズ&パンツァー
学園を取り戻せ。
キャラクターそれぞれに見せ場があり、成長があり、ドラマがある。テレビアニメを楽しんだ人を決して裏切らない作品。
学生だけなら満点。大人が関わって減点。まとめるとそんな感じ。
物語の序は完璧
動きのあるエキシビションマッチから始まるのが素晴らしい。映画はやっぱり序盤が大事。
しかもこれテレビアニメで登場したキャラクターメインでの混成チーム対決だから頭に入りやすい。駆け引きもすぐ生まれるし、引き込み方が上手い。そして台詞回しもいい。
「逃げてるけど逃げ切れない感じ
このセリフが好きでね。策としてはいやらしいんだけどね。
あと終盤のダージリンとカチューシャのやり取りが良かった。意思疎通が意外にも見事。お互いに敬意があるからできる芸当。
口約束だったので廃校
ストーリーパートになると一気に萎えちゃう。
『学園艦教育局担当官』なるものの教育に対するアプローチがあまりにもヒドい。だからこそ会長の行動が生きるんだけどね。でもやっぱり手法としては古いよね。妨害工作の発想が子供。
vs大学選抜チーム
大学選抜チーム自体にはあまり意味はない。要は過去最大の敵であれば何でもオッケーといった感じ。幼女とのフラグも一応あったけど、重要なのは大洗女子学園と転校してきたライバル達との連携、そして彼女達の成長である。
突撃大好きの知波単学園の変化と活躍、しかしそれでも上手くまとまらない感じが印象的。隊長と丸眼鏡は成長したんだけど、他が付いてこなかった(でもしっかり撃破はしている
しかしここでも担当官の企み(ルール変更、カール自走臼砲の許可)が勝負に水を差してしまった。まともな大人もいるが、基本碌なのがいない。有利過ぎる状況で負けた大学選抜チームが気の毒である。
まとめ
テンポよく進んでひと安心。担当官がひどかったこと意外は概ね満足。
まあ彼のおかげで会長がいろいろ動いて勝負までこぎつける過程で感動するんだけどね。『口約束』を逆手にとった皮肉も良かった。オマケに片眼鏡の弱気まで引き出すという好プレイ。最大の功労者は会長かもしれない。
キャラ同士のやり取りでいうと西住姉妹も良かった。やっぱり西住姉は妹に甘いんだよなあ。それでいて成長は促すし、できたお姉ちゃんである。
他にも個よりチームを優先したカチューシャ、大洗の為に汚れ役を買って出たダージリンなど、印象に残ったシーンは多い。最終決戦の締めも良く、後味も良かった。ティーガーがセンチュリオンを仕留めて勝利というのは妙な気持ちにはなるけどね(センチュリオンはティーガーを倒す為に作られた戦車と言われている
ひとつの映画でこれだけのキャラクターがいて、それでいて見事にまとまっているのは奇跡かもしれない。
ダージリンかアールグレイかでいつも迷う。
-
前の記事
アニメ『ガールズ&パンツァー』レビュー 2019.06.10
-
次の記事
『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』レビュー 2019.06.12
先程も書きましたが、キャラも戦いの内容もストーリーの一部と考えてるので、大人さえいなければストーリーも良いと思います。
まあ大人は良い作品を産み出す為の舞台装置として割り切るしかないです。
これだけのキャラが活躍して映画の尺に収めた団体戦ストーリーは奇跡と言っても過言ではないと思います。
映画だとドラゴンボールは活躍するのは一部だけだし、ワンピースは個人戦みたいな部分ありますし。
彼女たちが勝った時に、大人側にペナルティがあったら良かった。
>これだけのキャラが活躍して映画の尺に収めた団体戦ストーリーは奇跡と言っても過言ではないと思います。
これはねー、ほんとそう思います。