『混物語/西尾維新』感想・レビュー
- 2019.03.12
- 〈物語〉シリーズ
キャラクターへの愛がないと、こういうのはなかなかできない。
西尾維新の過去作を知っている人にとってはかなり楽しめる作品だと思います。
元々は劇場版『傷物語』の来場特典。
個性が物語を作る
キャラクターの個性を活かした上での物語。阿良々木暦が平均に見える内容でもあって、人外であれ常識人であれ、誰も彼もが個性を発揮する。
掟上今日子は売れるレベルの頭脳と大人の余裕を、哀川潤は理不尽とメンタル最強を、地濃鑿は理解できない性格と理外の行為を、水倉りすかは常識的なロリと非常識な大人を、否定姫は二重否定と奇策士への想いを、無桐伊織は人間試験と合格を……などなど、それぞれが発揮してくれた。
話のほうがも推理要素が強かったり、結末を見るまでもなかったり、終わっていたりと、飽きない内容で読み返せる魅力もある。
そして読んだ後で過去作を読み返したくなる魅力もある。
作者にとっても読者にとってもウィンウィンな物語だったと思う。
以下印象が強かったのをピックアップ。
じゅんビルド
人類最強、哀川潤の特に意味のない暴力が阿良々木暦を襲う。
掛け合い7割。ストーリー3割といった感じ。こよみんのツッコミ(主に心の中で)が冴えてた。勝てると思っても勝てるわけ無いと心の底では思っている。その感覚はおそらく正しい。伊達にあの世は見てないね。
引き受けようとしてできなかったのが意外な展開だった。戯言遣いだったらそのまま引き受け、解決していただろう。いちいち締まらんな阿良々木は。
まゆみレッドアイ
美少年シリーズより瞳島眉美が登場。阿良々木暦の魔の手(セクハラ)が彼女を襲う。
阿良々木は男子でもこうなのかと思ったんだけど、最初から気付いてたんだよね。逆に安心した。ぐいぐい行っていた理由というか、違和感が払拭された。
眼球舐めとか、久々だった。そういやそういうヤツでしたね、阿良々木暦って。
くろねこベッド
みんなだいすきくろね子さんのターン。
よく喋った。6000字のくだりはさすが。
しかし病院坂黒猫……今となってはそれほど巨乳ではない。羽川より劣るという公式発表も、よくよく考えてみると当然の結果だ。86のEカップではこのめまぐるしく動く激動の業界を勝ち抜けないのだ。むしろこうなってくると『チビ巨乳』だけのほうがいい。
勝敗で言うと阿良々木の勝ち。くろね子さんがブルマーで逃げたため。
阿良々木暦と絡むことで深く掘り下げられたキャラクターもいたりと、ガイドブック的な要素もあったかもね。そこも面白い。
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