〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン 第5話

〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン 第5話

アニメではここまでやらないだろうという原作の予想を裏切り――

大量の手ブラ撫子の登場です。

ちゃんと放送できて良かったですね。

 

撫物語 なでこドロー 其ノ肆

いちいちセクシーになってきた。

しかしながら、ここは心の成長のほうが重要らしく、式神が暴走したのも、あるいは今撫子に問題があると、ある意味言わざるを得ないわけです。

ただし誰も彼もが抵抗したいだけでなく、それぞれに意思はあるらしい。彼女に彼というのも妙な感じではあるがそれはさておき、原因の一端には斧乃木余接も噛んでいるような気がする。それは撫子の才能がどれほどか理解した上で複数の式神を……という展開には違和感があるからだ。

100体の式神はプロでも難易度が高い。ならば素人ならば何体が適正なのか。1体かもしれないし2体かもしれない。しかしそれ以上ということは無い気もする。つまりこれは斧乃木余接の与えた試練であり気遣いと見るべきだ。

 

ではどういう気遣いなのか。

大量の手ブラ撫子になんの意味があるのか。視聴者を喜ばせるだけじゃないか、はたまたそういう気遣いなのか。

少し考えてみます。

いや、少しどころか深く考えたとしても間違いであることは明白です。

 

手ブラでお手上げになった撫子が頼るのは当然ながら共に行動している斧乃木余接。

この式神の知識は阿良々木暦以上であり、倒すだけなら暦とキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのほうが上かもしれないが、攻略するという点においては彼女の圧倒的に上。

 

であるならば、当然助けてくれそうなものなんだけど、終盤に来てなお撫子に攻略を委ねようとする。

こうなると『アンリミテッド・ルールブック』が1回しか使えないというシチュエーションも怪しいもので、1回しか使えないという制限を設けることで、撫子がよりひとりで問題を解決できる方向に導いていると見るべきだ。

つまりこれは撫子独り立ち計画の一部なのである。

今回の問題を解決することにより臥煙伊豆湖から無害認定され、生活費も賄えるプロになれるという道を作る――キメ顔でそう判断したに違いない。

 

 

©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト