西尾維新『人類最強の純愛』感想・レビュー
- 2019.04.16
- 最強シリーズ
炎と戦ったり、対面したり。
いろいろな時代の哀川潤がいたり。
深海へ潜ったり。
哀川潤は今日も忙しい。
最強シリーズとしては第2弾。
人類最強の熱愛
久々の戯言遣い。哀川潤との会話シーンってすごく久々な気がする。回想だけどね。相変わらずというか、答えづらい言葉を投げかけてきた。哀川さん用の問いなんだろうけどね。哀川さん――戯言遣いのその呼び方も久々だ。根気では人類最強に勝ってんじゃね?
初登場は示際祭、喜連川ほつれ……と『ふれあい』
バトルが久々でそれだけで面白いのだが、炎を生み出すのではなく自らが炎になるというのがもっと面白い。
それを生み出した喜連川ほつれがこれまた異常。身体は子供、知識はじじいってか。さすが匂宮兄弟の生みの親。
研究所の場所へのツッコミも面白かった。アホか! って。ノーベル賞以上の発明がそこらへんのお家でって、その時点で笑える。
でもオチがちょっと弱かったかな。示際祭の能力が消えたのも残念。代わりに他所で生まれたらしいが、はてさて。
ところで哀川潤って純粋にパワーキャラだよね。異能なしで強いって感じ。格ゲーになったら格闘技能しか無さそう。
好きな地の文
と言って、あいつが盗んでいったおこぼれは、時価数億ドルの銅像だった――銅像と言っても、その大きさはビルくらいあったんだけどな。どの辺が地味なんだ。手品師か、あいつは。そんなこと、あたしにもできねーよ。
殺し名、呪い名でも出来るヤツいないんじゃないの? スキル的には空間製作の上位版があれば可能な気もするが。でもどのみち運べないよねぇ。
人類最強の求愛
いろいろな哀川潤が登場。現実か、夢か。いずれにせよ過去の哀川潤のキャラクター性はこれが事実なのだろう。
お婆ちゃんの方は夢であって欲しい。自転止めるとか、めだかボックスみたいな世界観になってんじゃん。やっぱパワーキャラじゃん。
「ぶっ殺すぞ」でちょっと笑った。というかそれに対する哀川潤(現在)のツッコミが面白い。
軸本みよりが終盤に初登場。これはもう巻き込まれる流れ。カラーのイラストが可愛かったのに残念。
にしても石丸小唄強すぎじゃない?
戯言シリーズの時は搦め手ありきで強いって印象だったのに。哀川潤が意識不明になるような水難で普通に先に着いてるとか、フィジカルも半端ない。人間シリーズ(零崎人識の人間関係)では哀川潤とキャットファイトしてたし、哀川潤がいなかったらそれこそ目をつけられてそうなキャラクター。
人類最強の純愛
天才で可愛い軸本みよりが本格参入。
飛んで火に入る夏の虫というか、まさか自ら哀川潤に同行するとは。天才とは何かには秀でているが、その何か以外はからきしなのだろうか。
でも危機的状況ではうまく立ち回ってたね。若いのに。
おかげでとろみの価値が下がるじゃないか。プロなのに不測の事態でパニクってたとろみの価値が下がるじゃないか。
宇宙より深海の方が大変って可能性は失念していた。言われてみれば確かにそうだ。
哀川潤の失敗
Miss/ion1.
甘さ、迷いが招いた失敗か。哀川潤は最強だが、万能ではない。まして人間。どこまでも人間チック。
感傷という感情に負けたともいえる。
絵は鑑賞するものなのに、な。
Miss/ion2.
『仲間割れ同好会』というものが面白い。実際にあってもいいかなーって思った。まあ内容的にはこういうのはダメってオチだったけど。
ショートショートとして面白い。一発ネタ感があっていいと思う。西尾維新っぽくない見せ方の作品でした。
まとめ
入りはいいけど、オチが全体的にちょいと弱い気がする。どんな展開になるんだろうって見せ方は上手いけど、読了感はいまいちだ。
キャラクターは相変わらずいい。初登場のキャラクターがこれだけ個性あるのだから、そりゃあ読みやすいさ。
会話シーンはみよりちゃんが一番だったかな。
-
前の記事
フルーツバスケット 第2話「みなさんが動物なんです!」感想 2019.04.16
-
次の記事
週刊少年マガジン20号 感想 2019.04.17
コメントを書く