『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い(西尾維新)』レビュー
- 2019.01.06
- 小説、ライトノベル
天才×絶海の孤島。ミステリーの定番も天才が集まると実に面白い。
西尾維新の、そして戯言シリーズの第1作。第23回メフィスト賞受賞作でもあります。
ちゃんとミステリー
最近ではあまり見なくなった西尾維新の推理もの。次がどうなるのか、その期待感を煽るのはこの頃から上手い。ミステリー特有の緊張感もあって、シリーズものだけど単体で読んで充分楽しめる一冊。
キャラクターの見せ方も上手い。トリックの謎よりもキャラクターの謎の方が強いぐらいで、どいつもこいつも癖が強い。彼らがどういう人間なのか、そこも含めて魅力がある。
会話シーンが面白いのも特徴で、何度も読み返したくなる。小説でこういった要素は実は結構めずらしい。特に推理モノは1回読んで終わりってことが多いけど、戯言シリーズはこれも含めて何度でも読める。部分的に楽しめる要素があって感覚的には漫画に近い気がするね。
いーちゃん
主人公。
戯言シリーズは彼視点で話が進んでいくんだけど、だからこそ彼のことが分かりにくい。彼の存在もまた謎なところから始まっている。
彼のことを知るには彼のモノローグだけでなく、彼の周囲の反応も見ていく必要がある。
より理解しようとするとそれこそ『人間シリーズ』まで読むしか無いと思う。
ちなみに『少女不十分』を読んで分かった部分もあったり。いーちゃんに関してはほんと第三者のリアクションって大事。
素晴らしき二段オチ
事件が解決された後で、赤い人が登場するのがいい。補完できそうで出来ないところを哀川さん(結局ネタバレするのか)が補ってくれる。
戯言シリーズは全体的にそういうところがあって、そこが面白い。
でもこれ読み返すと、全部哀川潤だけでいいんじゃねえのって気にもなる。強すぎて、主人公であるいーちゃんが薄くなっちゃうんですね。それに対しての答えとして、いーちゃんがいるとも言えるんだけどね(=最強には最弱)。
まとめ
西尾維新の才能がぶっぱな作品。密室、首なし死体といった感じで暗い要素もあるんだけど、掛け合いが面白いのでテンポよく読めた。シリーズものだけど単体で完結しているのでとりあえず読んで、合ってたら他のも読めばいいと思う。
ちなみにこれは4月の物語。
原作(新書、文庫)
OVAにもなってる。
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