【Dr.STONE】197話は漫画として最高の構成

【Dr.STONE】197話は漫画として最高の構成

ここ最近の「Dr.STONE」はめちゃくちゃ面白いけど、今回はその中でも軍を抜いてた。すごい。すごすぎる。

話の進行も見せ方も過去最高だった。

 

Dr.STONE 197話の感想

タイトルは『石だらけのエデンと禁断の果実』

なにが”禁断”だったのかは言うまでもない。

 

序盤、まずは石化の設定についてのおさらい。

石化が解けると”身体の調子”が良くなる。

 

そして次のコマでは「長生き」を強調……していると思ったんだけど、今回は「死んだら」「復活とかも無理」の方が重要だった。

 

で、ふたりの会話を聞いている感じの司、というふうに続くんだけど。

この時点だと司が何を気にしているのかわからないんだよね。

でもわからないなりに、読者視点だとなにか思うところがあるのだろうというのはわかる。喋ってないのにわかる。この辺が漫画における上手い表現なんだよね。

 

そして次のページで氷月を気にする司を見せる。

普通に考えると、司は氷月と一緒にいたので、彼の安否を心配しているかのよう。

けど千空はこの表情。なぜそんなことを訊くんだ? といった感じ。

 

今回、司の表情が豊かだった。

このシーンでは”氷月が復活しないかもしれない”そういう風にも見えて少し緊張が走ります。このまま退場しちゃうのか、氷月……みたいな。

後で分かるけどゲンの三点リーダーは意味が深い。彼はどこまで理解していたのでしょう。

 

しかし氷月は何事もなく復活。

良かった……と誰もが思う場面。

司もそう思っているように見える。ただ違和感は残るんだよね。この表情はなんなの? 喜んでるの? 驚いてるの? この時点だとちょっとよくわからない。

あとで分かるけど、これは不安が的中した時の表情

つまり司視点だと氷月には死んだままでいて欲しかった、ということになる。

 

ゲンのフォロー。

ほんと、彼はどこまで理解しているのか。少なくとも手放しでは喜べない、良くないことが起きたことには気付いてるとは思うのだが。

 

これはミスリードかな。

周囲の目が千空にいかないようにしているのだろう。

そして、

 

真実が伝わる。千空にも読者にも。

ここまでの見せ方がすごく良かった。1話だからね、これ。たったの1話で布石とその回収を行う。

布石っていうのはこの場合は司の表情のことで、すべてが今回の話だけで合点が行くようになってる。

すごくスピーディー。勢いがある。次号をまたがないところが特に。

クロム、カセキの会話からこのオチにつながるのがすごく気持ち良かった。石化ってこういうものだよね、という前フリが上手く機能している。

 

まあそうはいってもね、千空、司が死んでいた可能性を踏まえると、昔の布石を回収したとも言えるんだけどね。

コールドスリープに関してはむしろ納得したぐらいだ。

 

おまけ

千空がすごいとはいえ、1日でやられたらさすがにショックだよねぇ。

 

 

集英社/週刊少年ジャンプ2021年25号