FRIEND-SHIP|彼方のアストラ #12

FRIEND-SHIP|彼方のアストラ #12

彼方にあるアストラへ向かい、彼方にあったアストラ号に乗って、最後にはカナタのアストラ号になった。

カットも多いがオリジナル展開も多い。しかしそのオリジナルでいろいろな部分を補完。違和感なく繋げているところにスタッフの愛を感じる。ギャグの見せ方はイマイチだったけどね。

 

秘密の箱

王の敗退。前時代的過ぎたので、今回の件がなかったとしても滅んでいただろう。嘘に気付いていたのはカナタ達だけじゃあないからね

シャルスが無罪なのが独特。こういう展開はありそうで、実はあまりない。洗脳状態であれ年単位で牢屋行きだろう。出所後カナタ達と旅にでるといった展開がありがち。

 

このあとでもシャルスがギャグに参加できるのがカナタの強さ。アストラの良さ。

 

楽しい旅だった

マスコミとの対比。

辛いことがありましたよね? 過酷でしたよね? と決めつけたい。彼らの筋書きはいつの時代も変わらない。

ちなみにこの作品は現実世界の未来といった見せ方で布石を作っていたりもする。そのほうが地球へ向かっているという印象が強まるから。その上でミステリーの法則に従っていて嘘は付かない。制約がある。地球に向かっているとミスリードさせたい――けれど『地球』というワードを使ってはいけない。この辺の流れを見返すと面白いよ。

ともかく彼らは辛かったとは決して言わない。終始明るい。マスコミが困る程に。

 

写真集、フニの扱い

原作比較。

写真集のくだりがあって驚いた。けれどユンファに負けたくだりはまるまるカット。なぜだ。そこが笑いどころなのに。ギャグセンスに関してアニメは結構ズレてるよね。序盤にあったアームホイップも原作だと2回やっていて、2回目で笑うという天丼スタイル(最初にキトリー、その後ユンファ)だったのに、アニメじゃ1回目をやらずに2回目だけを見せるから何のギャグなのかまるで分からんかった。

フニの扱いもちょっと惜しい気がした。原作の方がウルガーとの距離感が近い(巻末4コマも含め)、その上でキトリーと同い年になる頃にはウルガー大好きっ子になってたのに。

 

この辺のやり取りも良かった。

7年後の「ドライブ連れてってー」も好意の現れだよね。

 

まとめ

普通の作品だったら……を意識して描く作家が非常に多い影響か、異常なまでに奇をてらった作品が多い。ミステリーにしても無理やり意外性のあるキャラクターを犯人にして、それこそリアリティを犠牲にしてまでそういう作品を描いては自滅して消えていく。

対してアストラは自然体でフェアに話が進んでいく。通常の作品だったらシャルスは悪人のまま終わっていただろうし、犯人もそもそもシャルスではなかったかもしれない。アリエスやザックのようなあり得ないキャラクターを無理やり犯人に仕立てあげていただろう。それでミスリードが上手く行ったと勘違いする作家もいるだろう。

視聴者の誰もがシャルスが怪しいと思っていたなかで、シャルスが犯人というところにリアリティがある。あの手この手で嘘を付かせていないことが最大の公平なのだ。

ここまで一貫して話が進むこと自体めずらしいんだけどね。人気があれば大抵は無理やりでも続いちゃう業界だろうし。だらだらせず、5巻で終わってるのが凄い。でも1クールじゃ尺が足らなかった。面白かったけど、ちょこちょこ惜しい作品でもあった。ここをカットした影響で――みたいな。

一番良かったのは引きかな。毎回良いところで終わるっていう工夫が見て取れた。時系列を変えてでも調整していた。相当意識してたと思う。じゃないと何度もクリフハンガーにはならない。

 

 

(C)篠原健太/集英社・彼方のアストラ製作委員会