西尾維新『世界シリーズ』感想・レビュー
- 2019.04.19
- 世界シリーズ
・きみとぼくの壊れた世界
・不気味で素朴な囲われた世界
・きみとぼくが壊した世界
・不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
――のざっくりとした感想です。ネタバレ注意。まあオチ知ってても読める小説だとは思うが。
ラストとなる5作目はいつ出るんでしょうねぇ。
きみとぼくの壊れた世界
シスコンの兄、兄依存の妹。基本的にはネコソギラジカル(下)のエピローグ通りのキャラクター。
古くからある推理小説、ドラマ等を逆手にとって進めている。例えば、どんな理由があっても殺人はダメだ――で締めるのが普通であるという前提を覆す、みたいな。
兄妹のノリも、序盤は愉快な掛け合いなのだが、普通なのだが、程なくして異常性が浮き彫りになる。そこが本筋。殺人自体はむしろオマケのようにも思える。交友関係のもつれをほどくことの方が彼らにとっては重要なのだ。
推理役は病院坂黒猫。なのだが、情報の処理と巻き込まれない立ち回り、後は巨乳とブルマに注目するぐらいでいいと思う。体力の無さとエロさもポイント。
不気味で素朴な囲われた世界
串中弔士の異常性に震えろ。
途中の掛け合いはいつ読み返しても読みやすいのだが、後味はあまりよくない1冊。
『戯言遣い』に近い性質を持っていて、順調に他人を狂わして行くのだが、ソレに対して思うところがない。なんとなくそうなればいい、といった程度に物語を作っていく。異常ではあるが天才ではないといったところも同じ。
これだけを読んでも串中弔士のキャラクター性はおそらく理解できない。病院坂黒猫が彼を封じようとしたが、それができないぐらいの個性がある。
病院坂迷路は惜しいキャラクターだった。黒猫との違いは思いの外大きかったようだ。
これも一般的な推理モノを意識しているが、今回はやや少年向けの金田一少年の事件簿、名探偵コナンといったもののアンチテーゼに近い内容。少年漫画だったらこういう動機で動くだろうという行動こそが違和感。普通はそんな動機で人は殺さない。
きみとぼくが壊した世界
全ては想像。
めずらしく後味がよく、逆に意表を突かれた。
あり得そうとあり得ないの狭間を漂ってるような内容。特に黒猫さんのテンションの高さ。現実なのか、ちょっと迷う。
オチが妙に気になったが、この流れだったらこれしかないといった落としどころだった。このノリで事件が発生したら、それこそ事件だ。
創作内だが串中弔士のキャラクターは作中通り。西尾維新作品は別のところでキャラの個性が分かることが多い。
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界
急に時間が飛んだ。なぜだ。5作目の布石か?
串中弔士が倫理教師になって、しかも表向きは割と良い感じというホラー。
刑事とのやり取りが印象的。嘘を見抜く能力もだが、将棋のくだりがいい。勝敗以外で指すという選択肢を初めて知った。勝利よりかき乱す方が楽しいって発想は新しい。が、そんなことしてまともに生きられるはずもない。
病院坂迷路は、名前からしてもはや不吉。まあ串中弔士が主人公の時点でアンハッピーな空気しかねえけど。
西尾維新の小説で登場人物が女装しない作品ってあったっけ?
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