三雲修に注目しながら観る! その4「大規模侵攻後の記者会見」

三雲修に注目しながら観る! その4「大規模侵攻後の記者会見」

記者会見に尺を使う漫画ってめずらしいよね。

修の見せ場の1つであり、彼がヒーローであることが改めて分かるシーン。
ラグビーやってた人ありがとう!

 

※注意こちらはワールドトリガーの感想記事です。『持たざるメガネ』こと三雲修を中心とした内容になっています。それでもよければどうぞよろしく。

 

 

大規模侵攻後の記者会見

大規模侵攻では非力ながら千佳を守ることに成功。
ハイレインの『卵の冠(アレクトール)』による攻撃を生身になって対処するシーンは、知恵と工夫だけではできない強い意思があった。
千佳との共同作業で調子に乗ってしまった場面もあったけど、それを充分にカバーして危機を脱しましたね。

ボーダーにも評価され、注目度も上がっていく。

そして時間を割いて描かれた大規模侵攻後の記者会見。
マスコミの、悪い意味でウザい質問に修の母である香澄さん(39)も「棒か何かでぶん殴ってやりたいわ」と、何かが滾る。

隣にいるラグビーやってた人も思わず汗が吹き出す剣幕です。

これは、少年漫画としては異例とも呼べる記者会見でしたね。
尺の使い方うんぬんもあるけど、主人公である修の対応はかなり個性的だった。
憤り、悲しみなどを見せず、マスコミに一切反発しない。こういう絵はかつて見たことが無い。

現場を知らない癖に――みたいなことを思うんですよ、普通なら。

けど修にはそういう意識がなく、マスコミに対しても真摯に応えていました。
後の嵐山の記者会見にも言えることですが『真摯さ』というものが、この世界ではかなり重要視されていると思います。
結局、個人に対してマスコミ側が引いちゃうんですよね(城戸司令の機転もありましたが

修はヒーロー

「ぼくはヒーローじゃない。誰もが納得するような結果は出せない」

この時の修が妙に堂々としてまして。
戦闘時では割りと汗かいてるしビビってる事も多いんだけど、マスコミに対しては一切ひるまない。
学生がね、あんなところに放り込まれてしっかり受け答えとか、なんかもうそれだけで凄いよね。

そもそもの話として、ラグビーやってた人もよく連れてきたわ。
ヒーローだと思ってるからマスコミの前に立たせたんでしょうけど。
あと単純に唐沢さんはバランサーとして動いていることが多い。公平性を保とうとするというか、パワーバランスが崩れる行為を嫌っているように見える。

大人達の見せ場でもあった

修に対しての追い込みは激しさを増すばかりだったが、城戸司令が割って入ったことで自体は収束を見せる。

「『将来を見越してたかが32人は見捨てるべき』という意見だったな」

このセリフが良かった。
意図的にカッコ良く見せてるのは分かるんだけど、それでも良い切り返しでしたね。
特大ブーメラン。

他にも鬼怒田、根付などの大人達がマスコミに対して上手い立ち回りを見せていた。
特に根付はマスコミの利用の仕方、情報操作を心得ており、手際の良さが目立った。
ちなみに根付の知恵は後に修が利用することになる。いろんな意味で学習能力の高い主人公である。

ただこの会見、マスコミの価値が低すぎたことには若干の違和感があった。
救った命に関する話が、城戸司令が口にするまで無かったのは妙といえば妙である。
そこもわかった上で行動していることは唐沢さんが示唆してはいたけどそれでも。

 

 

その5

三雲修に注目しながら観る! その5「B級ランク戦でウザい扱いされる」

 

葦原大介/集英社・ワールドトリガー