読切漫画『天使にエールを』感想・レビュー(週刊少年ジャンプ2016年50号)

読切漫画『天使にエールを』感想・レビュー(週刊少年ジャンプ2016年50号)

アイドルはサービス業。お金を夢や元気にして返すお仕事。あとは腋とか、たまに見せていけばいいんじゃないかな。

いい読切だった。こういう読切を守護りたい。まとめて単行本にするとか、そういうシステムがあってもいいと思う。

 

アイドルとは

アイドルってサービス業なの

お客様とギブ&テイク

お客様に投資してもらい

私は夢やゲンキを還元する

ヒロインの台詞。

(汗だくで腋を見せて)頑張る事でみんなを笑顔できる。それが彼女にとってのアイドル。

しかしそれは笑われるのとは違う。可愛くて良かったね、バカでも生きていけるもんね、とか、そういうのとは違う。

まあ現実にはそれを使って商売にしている人も多いんだけど。そして売れなくなったらカミングアウトで話題作り。

偏見

「才能なんて妬みの生んだ言い訳よ」「でも私努力したモン」

この後「やりたい事ガマンして頑張ったモン」と続くわけだけど、主人公もそのことは知っていた。彼女のファンだから。彼女が努力してきたことを知っていた。

そして主人公にとっての『勉強』は才能が無くてもできる、努力だけでトップになれる分野。だから努力するきっかけをくれた彼女は特別なのだ。

 

集英社/週刊少年ジャンプ2016年50号

 

お前も偏見やんけ!

まあでもこれぐらいの貞操観念は欲しいかな。無防備過ぎるのもどうかと思う。

 

まとめ

 

集英社/週刊少年ジャンプ2016年50号

 

読みやすい読切。キャラクターの心情も素直で面白い。

ヒロインの積極性は美徳だし何よりパワーがある。主人公は一見すると平凡に見えるが結果を出すに値する過程がある。

彼も努力している。だから憧れのアイドルに指名されたのだ。

そう考えることができた。そこがいい。

カワイイと言われたがっているというオチも良かった。ヒロインは主人公にカワイイと言われる為に努力して行くのだろう。そして主人公はヒロインへの気持ちを隠しながら勉強を教えていく。

歌のタイトルが『天使のエール』なのも面白い。『天使のエール』でゲンキをもらった主人公がヒロインにエールを贈り、そして天使からやはりエールをもらう。感謝還元の無限ループ。これもまたギブ&テイク。特等席で腋も見放題だ。

 

 

連載が始まっていたら『ぼくたちは勉強ができない』みたいになると思ったけど、より近いのは『かぐや様は告らせたい』かもね。主人公はすでにヒロインのことが好きなわけだし。ヒロインは振り向かせたがっているわけだし。

ちなみにこの読切は『ワールドトリガー』休載の代わりでした。